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【2016年末企画】 コラム「不屈の男たち」Vol.4 林陵平

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MONTEDIO FREE Wi-Fiサービスで、2016シーズン提供させていただいたコラム「不屈の男たち」をシーズンを振り返る年末特別企画として、ホームページにも掲載させていただきます。

このコラムは全9回、「挫折や苦難を乗り越え、活躍を続ける選手の現在」を取り上げたコラムです。

第4回目は林陵平選手。9月連続ゴールを挙げ、フォアザチームの意識とともにゴールを目指す彼の姿を取り上げたコラムです。

ぜひこのコラムから、2016シーズンを振り返って頂き、来たる2017シーズンへの思いを新たにして頂ければ幸いです。

コラム「不屈の男たち」Vol.4 林陵平

(2016.09.18 掲載 vs.徳島ヴォルティス)

「林陵平・チームに貢献した上でゴールも狙う」

「点を決めれば賞賛されますけど、決めなければどん底です」

 林陵平は数年前のあるインタビューでフォワードの宿命としてこう答えている。
サッカーという試合の勝ち負けとは別に、点を決めればスポットライトを浴び、決めなければ散々な評価を受ける。得点という結果が物を言う評価の浮き沈みが激しいポジションで、そこには天国と地獄が隣りあわせで待ち構えている。

 チームは10戦勝ちなしと苦しい時期が続いている。ただ、リーグ戦2試合と天皇杯2試合の公式戦4試合連続ゴールを決めた林個人としてみれば、今は天国の時期にあるのかもしれない。

 では最近の取材での林が得意のドヤ顔で話しているかといえば、決してそうではない。天皇杯群馬戦の試合後には「前半からフォアザチームで守備をしっかりやっていたことで、最後にボールが来た。そこはより謙虚にチームのためにやりたい」と話している。

 チームのために慢心せず謙虚にプレーすることが第一で、その先にゴールがある。チームが勝てていないことやチームのスタイルもあるのだろうが、最近の林はこう考えてプレーしているようだ。

 今とは違い、山形に加入した11年や12年の頃の林は、今と比べればバリバリの点取り屋という印象が強かった。それほど守備を頑張るわけではないが、いざゴール前にボールが来ればゴールのために体を投げ出すことも厭わなかった。13年終盤に左膝前十字じん帯を損傷したのも、ゴール前のこぼれ球に飛び込んで左足を振り抜いた際に、相手選手と接触したからだった。あそこで足を振り抜かなければストライカーではない。そう感じさせられた。

 ただそれから年月を重ね、がむしゃらにゴールを狙うプレースタイルから少し変化も見られる。自身が体を張ってボールを収めてバイタルエリアにスペースを作るポストプレーや、前線からのプレッシングで守備のスイッチを入れたり、相手のボランチへのパスコースをケアしたりする守備面など、得点以外のところでチームに貢献するプレーがどんどん増えてきている。

 近年は昨季プレミアリーグ優勝に貢献したレスターの岡崎慎司のような、守備的な役割もしっかりとこなすタイプのFWの存在も重要視されている。海外サッカーに通ずる林にしてみれば、この流行の影響を受けたというよりも、流行を先取りしてプレーに取り入れている部分もあるのかもしれない。

 31節までを終えた林のリーグ戦での得点は6点。チャンスこそあるが決めきれずにいて、石﨑監督からも「過去のゲームの中でも、彼(林)が入れていればというゲームがずいぶんある」(天皇杯2回戦群馬戦後)と言われてしまうくらい、シーズンを通した結果は残せていない。一方で守備面の貢献については「ウチは前から追えないと戦えない。頑張ってやっているよ」と石﨑監督の評価も高い。
チームへの貢献は認められたがFW個人としては不本意な評価と言えるだろう。

 もちろん牙が折れて得点に対するこだわりが減ったわけではない。今でもゴール前にはしっかりと顔を出してゴールを狙い続け、天国と地獄の狭間で戦い続けている。

 チームに貢献した上でゴールも狙う。
 きっと、両立を目指してより貪欲になっただけなのだろう。

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