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【2016年末企画】 コラム「不屈の男たち」Vol.6 石川竜也

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MONTEDIO FREE Wi-Fiサービスで、2016シーズン提供させていただいたコラム「不屈の男たち」をシーズンを振り返る年末特別企画として、ホームページにも掲載させていただきます。

このコラムは全9回、「挫折や苦難を乗り越え、活躍を続ける選手の現在」を取り上げたコラムです。

第6回目は石川竜也選手。今シーズンホーム開幕戦の怪我、そこからの復活の歩みを振り返るコラムです。

ぜひこのコラムから、2016シーズンを振り返って頂き、来たる2017シーズンへの思いを新たにして頂ければ幸いです。

コラム「不屈の男たち」Vol.6 石川竜也

(2016.10.16 掲載 vs.東京ヴェルディ)

「待ちわびた左足が勝利をもたらす」

 「ぶつけた時にこれは駄目だなと思った」

 3月20日セレッソ大阪戦第4節、右大腿骨骨挫傷を負って今シーズンの大半を棒に振ってしまった石川竜也は怪我の瞬間を振り返ってこう話した。

 石川は、08年14年と2度あったJ1昇格の瞬間をピッチの上で迎えた唯一の存在で、モンテディオ山形の近年の成長を支えてきた立役者のひとり。すでにチームでも2番目の年長選手となったが、体のケアには人一倍時間をかけていることもあってか、ちょっとした違和感などで離れることはあっても大きな怪我は少ない選手だ。

 14年10月に左手首の左手舟状骨を骨折して手術した時も1ヶ月で試合に復帰している。復帰戦の同年41節磐田戦では、イジュヨンが足の違和感で出場できなくなるアクシデントの代役として、ベンチスタートの予定から急遽先発出場のして90分間プレーするなど、復帰直後からでもパフォーマンスを上げることもできる。今年復帰した際も、天皇杯3回戦神戸戦で120分間をフルでこなして高いパフォーマンスを見せてくれた。

 その怪我に強い石川をして復帰に予定よりも時間がかかったのが今シーズンの怪我だった。骨挫傷という怪我は、わかりやすく言えば骨が折れたりヒビが入ったりする骨折の一歩手前で、骨が炎症を起こした状態。自然治癒で治すのが一般的だが、痛みも伴うこともあって、完全に痛みが引くまでの時期がズレたのだろう。

 夏前に一度は練習に参加したものの、その後再び別メニュー調整を行う時期が続いた。全治4週間のリリースで、練習試合に出始るまで5ヶ月ほどかかっているのだから、チームにとっても大きな痛手だった。

 ただ、ベテランの石川にとっては、今回の怪我はデメリットだけではなかった。

 「去年J1で戦っていたこともあって、今年に入ってもコンディションの部分で疲れが残っていた。リハビリしている期間で体のコンディションを作れて動きやすくなったので、そういう部分ではプラスになっている」

 昨年15年の石川はJ1リーグ戦全34試合でフル出場。厳しい残留争いを1年間戦い抜いた疲れを短いオフの期間だけで完全に抜ききることが難しいのは確かだ。しかし今回のリハビリ期間でその疲れもしっかりと抜くことができたようで、復帰後の石川竜也は日に日にパフォーマンスを高めている。

 キッカーとしてはチームで群を抜く選手。得点力不足、決定力不足で苦しむチームにとってセットプレーからの得点も欠かすことはできず、石﨑監督も復活した石川の左足をどう活かすかと思考をめぐらせているところだ。

 そのセットプレーだけでなく、安定したボールタッチとクレバーなパスワークで試合をコントロールできるのも石川の大きな武器の一つ。今年、時間帯によってゲームバランスが崩れることが多かったのは、「今は落ち着かせよう」「今は積極的に行こう」など、試合全体の流れをプレーでマネジメントできる石川のような選手がいなかったからでもある。

 「後半の戦い方が課題なので、途中から出てくる選手も含めて全員で90分間どうやって戦うかのプランを共有することが大事」

 石川のところでボールが落ち着いてプランが明確に共有できれば、90分を通じたゲームメイクもやりやすくなるはず。そういった点でも石川の復帰はチームにとって大きな力となるはずだ。

 待ちわびた左足が勝利をもたらすはず。

 次は歓喜の瞬間を待ちわびている。

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