ホーム開幕・ヴァンフォーレ甲府戦は0-1。横浜FC戦に続くリーグ戦連敗となった。「J2優勝」と高い目標を掲げれば、ひとつのつまずきも大きなロスになる。第3節・横浜FC戦からの連敗となれば、さらにそのダメージは大きくなるが、モンテディオはこれまでも一戦必勝で試合に臨んできたチーム。「では、ここで何をするか」の答えは定まっている。甲府戦後の選手たちのコメントにも、それははっきりと表れている。
「自分たち、下を向いてもしょうがないので、次もホームで戦えるというところで、次は絶対に勝ちたい」(南秀仁)
「みんなそうだと思いますし、僕個人も気にしてる暇はないというか。チームとして優勝するんだったら、ここで下を向くんじゃなくて、きちんと反省するところは反省して、連戦なので次に向かって勝つための準備をしていくべきかなと思います」(高橋潤哉)
「下を向く必要もないですし、4試合終わって2試合負けましたけど、まだまだ自分たちはやりますし、それを証明していかないといけないので、次、必ずホームで勝って流れを取り戻して、自分たちが優勝するという目標にたどり着けるように、またいい準備したいなと思います」(西村慧祐)
今節の対戦相手は、J2参入2年目となる藤枝MYFC。昨シーズンは「超攻撃的エンターテインメントサッカー」で大きなインパクトを残し、12位に食い込んだ。今シーズンは4試合を終えていまだ無得点。1分3敗と勝利がなく、最下位に沈んでいる。内容的には順位にまったくふさわしくないパフォーマンスを見せている。攻守の切り替えの早さやスプリントで走りきるパワー、ハイテンポの展開を止まることなくやりきるスタイルは貫かれている。
藤枝とはプレシーズンの1月27日にトレーニングマッチを行った。30分×4本でモンテディオが5-1と勝利したが、当時と比べても間違いなく藤枝のチームとしてのまとまりやプレー強度、プレースピードは上がっている。
そして、思い出したいのは昨シーズンのこの時期のこと。モンテディオが連敗を脱するためにどれだけの危機感を持ち、どれだけのエネルギーを注いだか。前節・ファジアーノ岡山戦は0-0の後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決められているが、そうした悔しさも含めて、すべてをこの一戦に懸けてくることは間違いない。
モンテディオに必要なのは、それを上回るだけの勝利への渇望だ。今節こそ、山形一丸で今季初「ブルイズ」を響かせる!
ポジション MF
身長 171cm
体重 60kg
生年月日 1998/6/27
出身地 熊本
前所属 FC町田ゼルビア
今シーズンのモンテディオの平均保持率はJ2のなかで断トツの1位。ボールをしっかりと自分たちの足元に置いて試合を進めている。
相手はフォーメーションによって、時間帯や状況によって、守り方を変えてくる。自陣にブロックを引いて構えたり、前から連動してチェイシングをかけたり。その追い込み方も狙いによってまちまちだ。そうした相手の意図を汲み取りながら、ときには相手ブロック内のスペースに潜り込み、ときには後ろに下りてセンターバックと3枚で回す。チームとして的確にボールを動かせるように、休むことなく動き回っている。そして、渡邉晋監督が特長として挙げるのは「空間を使えること」。引きつけた相手の背中にボールを送れる能力の高さは、前節・甲府戦でも発揮されていた。
今シーズンのチームは失点減らすことが至上命題になっている。ボランチは中央を使われたり、パスを通されたりしないようにしっかり締めるだけでなく、外に振られればスライドを求められたり、サイドバックの背後を突かれればカバーに入るなど、戻るべき場所に確実に戻っていなければならない。タスクは昨シーズン以上に多い。鍛えた技を捧げ、威力の武器を持って試合に臨んでいる。
モンテディオには昨年夏の加入。2年目の今シーズンは背番号7を継承し、副キャプテンにも就任した。
「歳的にも若くないと自分でも思ってますし、もっと自分だけじゃなくてチームのことを見ながら、自分自身も成長していきながらチームをいい方向に少しでも持っていけるように努力していきたいなと思います」
現在、チームは2連敗中。渡辺晋監督が「下を向いている人間はいまいません」と言うとおり、チーム自体がファイティングポーズを取り続けている。誰かが起たねばならないこうした状況で、熱く闘志をたぎらせるのがこの男だ。
燃えろ 麗央 燃えろよ