試合の見どころ
1月7日に始まった長いキャンプを終えて山形に戻り、今節はいよいよホーム開幕戦。“山形一丸”の強力な雰囲気の中で試合を進めることができる。J2・J3百年構想リーグ EAST-Aでは開幕3連勝のあと、前節は相模原に1-2と初めての敗戦を喫したが、ここでギアを巻き直し、グループ1位への軌道をしっかりと確保したい。
横内昭展監督の就任後、モンテディオがもっとも力を入れてきたのが球際の強度。特にシュートやクロスなど、相手のボールの出所にしっかりと寄せることができるか。あるいは、クロス対応ではゴール前で相手に寄せきるための距離を維持できるか。そして攻守の切り替えで上回ることができるか。この4試合で、EAST-Aでは横浜FCに次いで被シュート数が多いことを見れば、まだまだやるべきことは多いが、この道をモンテディオより何年も先に歩き始め、チームのスタイルとして確立しているチームがある。それが今節の対戦相手、吉田謙監督7年目のブラウブリッツ秋田だ。
秋田は高知・春野キャンブを今週も継続しながら、開幕アウェイ5連戦目。次節・栃木SCとのホーム開幕戦にいい形でつなげたるためにも勝利したいとの思いは強いはずだ。前節・ザスパ群馬戦は前半で3失点し、2-3で敗れているが、これでより引き締めを図るだろう。
これまで5シーズンの“奥羽本戦”の戦績は、モンテディオが7勝2分1敗と圧倒。昨シーズンも4-2、3-2と多くのゴールとともに2連勝しているが、力の差はすでに拮抗している。秋田は守備力をベースに戦うチームであることは間違いないが、奪ってからの速攻や相手陣地に入ってのセットプレーなども活かし、シュート数59はEAST-Aトップ。モンテディオは、秋田にいかにセットプレーを与えず、シュートを打たせないかが重要なポイントになる。
「相模原戦は、なかなか自分たちの時間を作れない時間が多かった。それは群馬戦もそうだったかもしれませんし、この3戦、そういうところがありました。今節はその3チームよりもはるかに強度の高い相手とやるので、われわれにとっては、指標になるゲームだなと思っています」(横内監督)
毎試合がモンテディオの真価を証明するチャンス。とりわけ今節は、勝利することで大きな一歩を踏み出せる一戦だ。
選手インタビュー



キープレイヤーポジション FW
身長 175cm
体重 72kg
生年月日 1996/4/2
出身地 東京
前所属 湘南ベルマーレ

たった一度きり行われる百年構想リーグ。そのオープニングゴールを決めたのは、昨シーズンのチーム得点王だった。
開幕戦・横浜FC戦の開始からわずか5分。右サイドを突破した氣田亮真のクロスに、3列目から走ってきた寺山翼がヘディングシュート。ポストに跳ね返ったところをディサロ燦シルヴァーノが左足で合わせ、押し込んだ。氣田のクロスは、ニアに走り込んだ自分のところには上がってこなかったが、次に巡ってきたチャンスを逃さずに決めきってみせた。
「チャンスを逃さず」という意味では、第3節・ザスパ群馬戦のゴールも同じ。相手シュートをキャッチしたGKトーマス ヒュワード=ベルが前方へパントキック。相手ディフェンダーがクリアしきれず後逸したボールに追いつくと、前に出てきた相手キーパーの動きを確認し、頭上を越えるループシュートを沈めた。
「千載一遇のチャンス」とも言えそうだが、じつはこの形を狙い、背後へのランニングは何度も試みられていた。ゴールのあと、ディサロのもとへ駆け寄り祝福したヒュワード=ベルが証言する。
「去年も4、5回ぐらい、ああいうようなシチュエーションというのはあったんですけど、点に結びつかなかったところもありました。今日の試合でそれがゴールにつながったので、いいチャンスだと思って(ディサロのもとへ)行きました」
受け手のディサロ自身も、チームが少しずつ変化していることを実感しているようだ。
「ビルドアップとかボールを持つこと自体はみんなうまかったと思うし、相手のブロックの外側でボールを持つことは断然できていると思うんですけど、出し手も見るようになったし、動くほうもより動くようになったと思う」
裏で受けられるようになり、相手も警戒してくれば、今度はその逆が狙い目になる。タイミングよく下りてコンビネーションを使うシーンももっと増えてくるだろう。前節の得点シーンはスローインからだったが、下りていきシンプルにはたけば、自分が空けたスペースを味方が作ってくれる。もちろん、自身もゴール前までスプリントを欠かさない。自身のゴールにならなかったケースでも、スプリントで相手を引きつけながらゴールに詰めることで大きな貢献をしている。
昨シーズンのホーム開幕戦は今回と1日違い。相手も同じ秋田だった。土居聖真の先制ゴールからわずか2分後、今度はディサロが決めてみせた。安部崇士(現宮崎)からの縦のフィードに左足一閃。鮮やかに、そして強烈にゴールネットを突き刺したこの一撃は、2・3月度のJ2月間ベストゴールにも選ばれた。インパクトが強すぎるゴールゆえ、今回は相手もさらに警戒してくるだろうが、真のストライカーとは、それでもゴールを射止められる選手のことを言う。

