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中断前のラストマッチ、“あの”新戦力とともに狙うのは3連勝!

天皇杯3回戦を含むホーム3連戦も今節でラスト。このあとは3週間の中断期間に入る。自動昇格圏とは勝点20差、プレーオフ圏とは9差。ここからの強烈な追い上げが必要ななか、今節の勝点3は、昇格への現実味をより強く持って中断期間明けに入るためにぜひとも必要だ。

メンバーを入れ替えた天皇杯3回戦・札幌戦は3-6と敗れたが、リーグ戦は現在2連勝中。前節・栃木戦もここ数試合と同じように多くの決定機を作り、「あとは決めるだけ」というシーンを重ねたが、77分、髙江麗央のスルーパス、南秀仁のクロスに氣田亮真がフィニッシュ。髙江に前を向かせた横山塁のパスや、相手守備を引きつけた堀金峻明のニアへの飛び込みなど、状況に応じた質の高いプレーの連続でこじ開けたゴールには価値がある。

ここまで時間はかかったが、意図して攻守を展開でき、内容で相手を上回りながらスコアも動かせるようになってきた。前節・栃木戦終了後、渡邉晋監督は「実際こうやって勝ちにつながっていたのは、何か急にポンとうまくいったわけではなくて、キャンプからずっと積み上げてきたものがようやく花開いた」と話しているが、ここへ新たに加わるのが、ディサロ燦シルヴァーノ。22年もシーズン後半だけで8得点を挙げたストライカーが、今度はどんな化学反応をもたらしてくれるか。

いわきFCは現在、勝点31の8位。シーズン序盤は着実に勝点を上積みし、第14節で4位まで順位を上げたが、その後はやや減速し、現在は3連敗中。V・ファーレン長崎に1-3、横浜FCに0-4で敗れたあと、前節は大分トリニータに0-1で惜敗している。ただし、アディショナルタイムに失点するまでは、走力を前面に押し出し、ハイテンポのなかで局面での強度も高いいわきらしさは存分に表現されていた。オフサイドにはなったがゴールネットを揺らすシーンもあり、シュートがいつ入ってもおかしくない状況と見るべきだろう。

前回の第6節は0-0のドロー。守備の意識を高め、続いていた失点を止めて今季初のクリーンシートを達成。連敗も3でストップした。プレーの質・内容は当時から大きく前進している。全員の力で粘り強く勝ちきり、夏の夜空にブルイズを響かせたい。

KEY PLAYER キープレイヤー

ディサロ 燦シルヴァーノ 選手

ポジション FW
身長 175cm
体重 72kg
生年月日 1996/4/2
出身地 東京
前所属 湘南ベルマーレ

Akira Silvano DISARO’

2年前、チームをプレーオフに導いた救世主が、完全移籍でモンテディオに戻ってきた。ここから急勾配の険しい山道を登りきらなければいけない状況は2年前と変わらない。ただ、それも不可能ではないと思わせてくれるのがこの選手、ディサロ燦シルヴァーノ(レレ)だ。

2年前、期限付き移籍で加入し、モンテディオでデビューしたのは第27節。再開試合となった第8節・岡山戦と合わせて、残り17試合の時点だった。レレはその17試合すべてに出場して8得点。大分戦、徳島戦と勝つしかないラスト2試合で3得点を挙げてプレーオフ進出に貢献し、さらにプレーオフでも2試合に出場。1回戦の岡山戦でもゴールを挙げた。今シーズンも当時と同じか、それ以上の活躍を期待してしまうが、レレは期待が大きいほど結果で応えてくれる。

選手登録は7月12日だが、6月26日には全体練習に合流し、トレーニングを続けてきた。2年前に一緒にプレーした選手は多く、さらに2週間以上の準備期間もある。練習初日から、特に初対面の選手と多くのコミュニケーションを取りながら、自身のプレーをこのチームで最大限発揮する方法を模索してきた。リーグ戦は残り15試合。
「わかりやすく10ゴールを目標に。二桁取れたらチームの力になれるかなあと思います」

2年前はコーチの立場でレレを見てきた渡邉晋監督は、初日のトレーニングを観たあと、「やっぱり動きだしがわかりやすいですよね。たぶん、出し手が見つけやすいと思います。タイミングも合っている。間違いなく期待感は高まります」と評価した。

ゴールが決まれば、お待ちかねの“あの”セレブレーション。
「前にやってるので皆さん知ってくれていると思うんですけど、またスタジアムで、より多くのレレマスクをみんなでできるように、頑張っていきたいと思います」

2年前、レレとともにJ1昇格を果たすことはできなかったが、止まっていた時計は再び動き出す。今度こそ、この有言実行の男とともに。

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Akira Silvano DISARO’