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POINT of VIEW試合の見どころ

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いまこそ一致団結、悔しさを振り払うためにも踏み出すのは「前」!

開幕から10試合目で迎えたアウェイのみちのくダービーは0-2。
「ダービーなので、負けたという事実、我々が連勝することができなかったという事実、そこをしっかりと見つめ直して次に進んでいかなければいけないというところだけです」(渡邉晋監督)

戻ることのない勝点3を嘆くより、目の前にある勝点3を全力で奪いにいく。それは、これまでと変わらないモンテディオの姿勢だ。ダービーで出た課題やできていたことも含めて振り返って分析し、フィードバックを行うのもこれまでどおり。ここまで積み上げてきたことを必ず勝点3につなげると信念を持って、次の一歩を踏み出す。
「相当悔しい思いをみんながしました。なので、まずはチームのなかで、しっかりと選手、スタッフが一致団結して前に進むというところを証明するゲームにしたいと思っています」(渡邉監督)

今節は、昨シーズンのJ3王者・愛媛FCと対戦する。モンテディオのポゼッションサッカーの礎を築いた石丸清隆監督は、その後、J3に降格した愛媛の監督に就任。青野慎也ヘッドコーチとともに2年でのJ2復帰を果たした。今シーズンはここまで4勝3分3敗で9位に着けている。

ここ5試合はベガルタ仙台に2-1と逆転勝利するなど5戦負けなし。ただし、直近の2試合はいずれもアディショナルタイムに追いつかれてのドローに終わっている。特に前節・鹿児島戦は相手が退場者を出したなか、49分までに2-0とリードしながら、最終的には2-2と追いつかれた。愛媛もまた、前節の悔しさが今節に向かうエネルギーとなっている。

「マルさんにはお世話になりましたし、自分自身、あれから何年かして、成長している姿を見せたいですし、勝ちたいですね」

南秀仁はモンテディオで石丸サッカーの薫陶を受けているひとりだ。スタイルが近いチームがぶつかり合う今節をこう展望する。
「ボールを大切にするというところでは似てると思います。ただ、ボールの動かし方だったりというところは違いがあると思うので、すごくおもしろい攻防が見れるんじゃないかなと。お互いに色を出し合って、おもしろい試合になるんじゃないかなと思います」

駆け引きや激しい切り替えのなかで、互いの狙いが飛び交う試合になる。そのなかで自分たちのスタイルを信じ、前への一歩をどれだけ踏み出せるかが問われることになる。

INTERVIEW選手インタビュー

  • MF No.20 松本 凪生 選手

    INTERVIEW
    常に試合に出る準備は、練習のなかからもイメージもしてますし、自分が入ったらこうしようとか、特長をどう出すかというのも考えてます。もちろん、それぞれ選手の特長があって、すぐ出場するのは簡単じゃないと思いますけど、常にいい準備はできているかなと思います。

    (試合で出したいプレーは?)もちろん、自分の特長のボール奪取のところと、いまは押し込んでてもシュートを打つシーンというのはなかなか多くないと思っています。ブロックを引かれたときにそれを消すシュートというのは大事になってくると思うので、そういうところだったり、ハードワークのところも出していきたいと思います。
    INTERVIEW

KEY PLAYER キープレイヤー

熊本 雄太 選手

ポジション DF
身長 186cm
体重 83kg
生年月日 1995/7/18
出身地 福岡
前所属 アビスパ福岡

Yuta KUMAMOTO

開幕からセンターバックとして安定したプレーを続けていた熊本雄太に変化が訪れたのは、第7節・清水戦。表記上のポジションは右サイドバック。攻撃時には左サイドバック・吉田泰授を高い位置に上げて後ろは3枚で回す形になるが、相手の状況を見ながら、隙あらば熊本も前をめざして駆け上がる。この可変システムがうまく機能し、スコアは2-0。モンテディオが5試合ぶりの勝利をつかんだ。

熊本の右サイドからの攻撃参加で思い起こすのは、18・19年。当時は3バックの右ストッパーに入ったが、試合終盤には積極的な攻撃参加を見せ、スタミナを見せていた。18年のポストシーズン、渡邉晋監督率いる仙台との天皇杯準決勝では、クロスからアシストも記録している。

大卒1年目からのレギュラーの座をつかみ、3シーズンで100試合と順調にキャリアを重ねてきた。5年目の20年には福岡への完全移籍でJ1に挑戦。しかし、出場は5試合にとどまり、モンテディオに戻った昨シーズンも出場は17試合にとどまった。昨シーズン終盤、渡邉晋監督は、「我々には、たとえばクマ(熊本)とか、喜岡(佳太)とか、本当に素晴らしいセンターバックがいて、なかなか彼らを出場させてあげられないというものは、本当に心苦しいです。それでも彼らがひたむきにトレーニングに励んでくれる」と話し、さらにこう続けている。

「特にクマなんか、あれだけ実績があって、能力があるのに、いまなかなか試合に出れない。それでもいま、ここ数試合、ゴールを決めた選手にベンチの横から一番最初に飛びついてるのってクマなんですよね。彼が自分の悔しい感情を押し殺しながら、それをしっかりと前向きな、健全なエネルギーに変えて、なんとかチームの勝利のためにという気持ちになっている表れだと思います。プレーヤーとしてだけじゃなくて、ひとりの人間としても、いまクマはものすごく成長しているのかなと思います」

今シーズンはピッチの上で、昨シーズンとはまた違う責任を背負いながら戦っている。
「自分たちの思っていた勝点だったり順位にいまはいない。まだ28試合残ってますけど、目の前の1試合をどれだけ全力で戦えるかだったり、勝点を落とさないというのが大事。シーズンとおして掲げていた目標に達するには、目の前の1試合を全力で戦うだけ」

地道に続けてきた努力はきっと報われる。ピッチの上で、彼はそれを証明している。

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Yuta KUMAMOTO