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いよいよプレーオフ!ホームの圧力と一体感で絶対に勝つ!

リーグ戦からJ1昇格プレーオフへ。3週間のインターバルを経てステージも変わるが、昇格達成までの一本道はまだ続いている。リーグ戦では9連勝フィニッシュで4位に食い込んだことで、J1昇格が近くにあると感じるかもしれないが、この道の途中であきらめざるを得なかった過去2年の悔しさは、それぞれの心に、脳に、刻み込まれているはずだ。それとは違うエンディングを、今後こそ手にしなければならない。J1昇格を確定させるその瞬間まで、隙を見せず、ただ目の前の一戦にすべてをぶつける。これまでもそうしてきたように。

相手は勝たなければならず、モンテディオは引き分けでも次に進めるが、そうした条件はリーグ最終節・ジェフユナイテッド市原・千葉戦でも経験済み。そのなかでもモンテディオは最高の立ち上がりを実現し、結果4-0と圧勝してみせた。そして何より、自分たちも過去のプレーオフや今シーズンの終盤で、「勝つしかない」シチュエーションで戦ってきた。それがどれほどのエネルギーをチームにもたらし、侮れないものであるか。一番知っているのは自分たち自身だ。

ファジアーノ岡山は木山隆之監督の3シーズン目。最後は5位となったが、序盤にはしばらく首位に立ち、それ以降も一度も連敗せず、6位以上をキープしたままリーグ戦を終えている。プレーオフ進出の4クラブのなかで、唯一J1経験がない。それだけに、初のJ1昇格へ向けた熱量はかなり高まっている。また、2年前のプレーオフで敗れたモンテディオが相手ということも、彼らの闘争心に火をつけているはずだ。

モンテディオとの今シーズン2度の対戦はいずれもドローで2-2と1-1。第13節はモンテディオがアディショナルタイムに追いつき、ギリギリ勝点を拾った展開。また、夏の中断期間明けの初戦となった第25節は、シュート数4対20。渡邉晋監督は「あのシュート数と同じくらい、岡山さんに分があったゲームだったと言わざるを得ない」と内容的にかなりの劣勢だったことを認めている。小西雄大も前回対戦を「ものすごい暑いなかでの試合というのをすごい憶えてて、今年イチ、苦戦した試合だった」とふり返る。

岡山の守備の特徴は、前線からのハイプレスと、自陣ゴール前でのボールへの執着。中盤で相手ボールを奪うタックルにも迫力がある。7月に一美和成が加入したことで、前線からのハイプレスは強度・連係ともに向上し、組織としてめざすスタイルをより明確に打ち出せるようになった印象だ。モンテディオは、この岡山の前への矢印をビルドアップでどう折っていくか。そして、相手ゴール前ではスピード感と精度を両立させながらいかに崩しきるかがポイントになる。

攻撃面での岡山は、まずは相手コートでプレーしようとするため、前方へのシンプルなロングボールが多い。そこでモンテディオに求められるのは、相手のターゲットとなる選手にしっかり競り合い、収めさせないこと。そして、セカンドボールを先に拾うこと。アタッキングサードに入り込んだ岡山は、隙間を縫って選手が走り込み、そこにスルーパスを送り込んでくる。今シーズン、群馬で2度対戦した城和隼颯は「攻撃に厚みがあるなと感じてますし、フィジカルに自信がある選手もたくさんいる感覚もあって、選手に当ててから湧き出てくるイメージがある」と話す。モンテディオはそのひとつひとつに遅れずに対応する必要がある。ただ、これらはここまでのリーグ戦でも実践してきたことだ。あとは自信を持って臨めばいい。

リーグ最終節に続き、この試合もスタンドをほぼ満席にして行うことになる。ホームでの声量、一体感、勝利への熱量はどこのクラブにも負けていない。

サポーターをよろこばせたいチームがいて、チームを後押しするサポーターがいる。目的はひとつ。 “山形一丸”の真の力を、この一戦で見せてやろうじゃないか!

INTERVIEW選手インタビュー

  • DF No.15 川井 歩 選手

    INTERVIEW
    前回の岡山戦のときのチーム状況であったり、自分たちの試合運びみたいなところすべての面で、いまのチームはあの頃とは違うと思っているので、いまのこの僕たちの自信であったり、勢いというのをそのままぶつけられたら、岡山のプレスを剥がせると思いますし、ゴールも割れると思いますし、無失点でもいけると思うので、すべての面でとにかく自信を持って挑めたらなと思います。

    去年はプレーオフへの出発の日に体調崩してしまって、本当にテレビを観るしかできなくて、試合に出てる人以上に悔しい思いをしたと自分のなかでは思っているので、「この悔しさがあったからJ1に上がれたよね」と言えるように、今年こそはという思いですべてをぶつけたいと思います。

    自分が来てから3度目のプレーオフで、今年こそはという強い思いを持って準備してますし、初めてホームでできるというのも個人的にもすごい楽しみな部分でもあるので、千葉戦より多くの方にスタジアムに足を運んでいただいて、まずは目の前の岡山戦を絶対勝利して、みんなでブルイズを踊れたらいいのかなと思います。
    INTERVIEW
  • FW No.36 高橋 潤哉 選手

    INTERVIEW
    (この3週間は)ひとつリーグ戦が終わって、気持ち的にリラックスできた部分もありながらも、練習ではちゃんとメリハリを持ちながら、そのなかでも学びがありましたし、すごく充実した時間だったかなと思います

    相手のチームのスタイルとしては、すごく守備が堅くて、手堅く勝点を取ってるイメージはあるんですけど、いままでの結果というのはもう全然関係ないと僕は思っています。自分たちが積み上げてきたものに対して、あとは全員を信じて戦うだけだと思うので、そこだけに、自分たちにきちんと目を向けて勝てるようにしたいなと思います。

    個人的には去年初めてプレーオフを経験したんですけども、自分としては過去の結果というのは特に気にしていません。とにかく新しい戦いだと思っているので、そこに向けて全員でチャレンジして自分たちの力を出せれば勝てると思っているので、そこだけを考えてます。
    INTERVIEW

KEY PLAYER キープレイヤー

ディサロ 燦シルヴァーノ 選手

ポジション FW
身長 175cm
体重 72kg
生年月日 1996/4/2
出身地 東京
前所属 湘南ベルマーレ

Akira Silvano DISARO’

「わかりやすく10ゴールを目標に」
そう回答したのは湘南から完全移籍し、再びモンテディオの一員となった直後の6月下旬のこと。夏のウインドーが開いて出場可能となったリーグ戦15試合のうち、14試合に出場し8ゴール。ゴール数の目標には届かなかったが、それでもハイペースでゴールを量産し、もっとも大事な「チームを勝たせる」役割を十分に果たしている。

中断期間をはさむ3試合でゴールは生まれなかったが、4試合目の第27節・長崎戦で復帰初ゴールを奪うと、翌節の藤枝戦でも0-0から決勝ゴールを決めた。9連勝の2連勝目となった第31節からは4試合連続ゴール。2試合空いて、ラスト2試合でもきっちりとゴールを決めてみせた。シンプルに背後へ抜け出して、クロスに合わせて、ワンツーから、こぼれ球からと形はさまざま。そのどれもが、研ぎ澄まされた感覚と高い技術を伴うものだ。

レレ、ことディサロ燦シルヴァーノが加入した頃、チームは徐々にボールを前に運べるようになり、チャンスを作る回数も増えていた。ただ、得点はまだまだ少なく、それゆえに勝ちきれていない状態だった。
「僕が来た意味というのは、一番はゴールを取るというところだと思う。ビルドアップに関わるというよりは、最後のところで仕留めるというのが仕事」と認識し、「自分のストロングを出すためにどうすべきか」を追求してきた。それがチームを勝たせるもっとも大きな力になると確信しているからだ。

それと同時に、チームを最大限に機能させることにもトライを続けてきた。
「僕が背後を取る動きをこまめにやれば、相手はなかなか前に出てこれない。僕とボランチの間の10番の選手(トップ下)にスペースを与えるということで機能させることもできる」
守備では、相手にラフなボールを蹴らせるための献身的なチェイシングも目立っている。そうしたプレーがどれほどの成果につながったのかは、これまでの結果に如実に表れている。

岡山とは、2年前のJ1参入プレーオフ1回戦で対戦している。3位・岡山に6位・モンテディオがアウェイで挑む一戦だったが、3-0の勝利の口火を切ったのはレレだった。開始5分、スルーパスで中央を突破。フリーで放ったシュートは相手キーパーにブロックされたが、瞬時にこぼれ球に反応して押し込んだ。このシーズンもリーグ戦ラスト2試合でゴールを挙げ、その流れでプレーオフに臨んでいる。

國分伸太郎が寿司をご馳走した選手が次の試合でゴールを決める流れが続いている。今週の“招待客”は、リーグ最終節前に招待されていたが都合がつかず欠席していたレレ。あらためて、プレーオフ準決勝前の招待となった。國分曰く、「結婚祝いです。これもタイミングですね。活躍してくれることを祈っています」。

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Akira Silvano DISARO’