試合の見どころ
開幕連勝ならず。ただし、試合は当分ノンストップで続いていく。そして、ここからは天皇杯2回戦を含む3連戦。総力戦になるが、一戦ずつ勝利をめざしていくことに変わりはない。
前節・湘南ベルマーレ戦は「守備のところで、われわれ少し準備していたものがあったんですけども、そのスイッチがなかなか入らなかった。もう少し高い位置から、われわれが守備のアクションを起こせるシーンはあった」(横内昭展監督)前半となったが、そのなかでも無失点で凌ぎ切ることができ、後半のギアチェンジで多くのチャンスを作ることもできた。
それをスコアに表し、勝利という形につなげてこそ、真の意味で前進できる。キャンプを含め、プレシーズンから積み上げてきたものをホームで出し尽くし、90分を終えたい。
横浜FCは開幕2連勝。開幕戦はアウェイでテゲバジャーロ宮崎を1-0で破ると、前節はMUFGスタジアム(国立競技場)でのホームゲームでジュビロ磐田を3-1で退けた。
先制点は28分、髙江麗央の直接フリーキック。51分にルキアン(PK)、62分に島村拓弥がゴールを決めて3点を先行。その後はPKで1点を返されたが、岩武克弥が退場となったあとも危なげなく試合を進め、3-1で勝利している。
主力は百年構想リーグからほぼ変わらず、約半年間指揮を執ってきた須藤大輔監督の“インプレッシブサッカー”も浸透。選手たちはチーム戦術のなか、局面ではそれぞれが判断力を持ってプレーしている。
百年構想リーグでモンテディオは横浜FCに2連勝しているが、最後の対戦は4月12日の第10節。それ以降の横浜FCは湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台などに勝利して6勝2敗(うちPK戦1勝1敗)。プレーオフラウンドもRB大宮アルディージャ、レノファ山口FCを破り、6連勝で百年構想リーグを締めくくっている。そこへ、モンテディオに対するリベンジと、前節国立で勝利した勢いを載せて、NDスタに乗り込んでくる。
モンテディオが前へ進むためには、その圧力に怯んではならない。
「次の横浜FC戦もかなり攻撃的なチームだと思いますけども、奪った瞬間というところには、かなり隙を突けるところはあるかなと思っています」(横内監督)
おそらく、勝敗の差は紙一重。そうした試合を勝ち切る力は、勝つことで養うことができる。
選手インタビュー



キープレイヤーポジション MF
身長 179cm
体重 70kg
生年月日 1997/9/27
出身地 新潟
前所属 鹿島アントラーズ

前節・湘南戦の前半は押し込まれた印象が強いが、そのなかでも中村亮太朗の研ぎ澄まされたプレーは随所にあった。
開始直後、ボールをつなぎ始めた湘南に対し、中村は2本先のパスを予測し、アルトゥール シルバに襲いかかりインターセプト。14分、土居聖真が倒されて得た自陣からのフリーキックでは、対角に飛ばし、一発でフリーの岡本一真にボールを届けている。チームがペースを握った後半は中村自体もボールを動かす回数が増えた。68分、最後は川名連介の決定機につながったプレーは、中村から岡本へのピンポイントのサイドチェンジから。73分、ラインを突破する森海渡へのフィードはオフサイドとなったが、通ればビッグチャンスにながるプレーだった。
開幕してまだ2試合とは言え、フル出場を継続。パス総数118、敵陣パス数59、インターセプト総数2はチーム1位、こぼれ球奪取10は杉井颯、岡本一真と並んでチーム1位タイ。さらにエンジンがかかってくれば、アシストやチャンスクリエイトなどの数値もぐんと上がってくるはず。それを確信させるパフォーマンスが続いている。
いかにゲームをコントロールするか。その方法はボランチの人数だけあるが、中村の基盤となっているのは、子どもの頃から観ていた海外サッカーの映像だ。海外サッカー好きの父のおかげで、家では常に欧州のリーグやチャンピオンズリーグの映像が流れていて、中村も数多く観戦することで目が肥え、自分のなりの攻撃の組み立てを構築していった。
「欠点がないボランチというのが、目標というか理想ではあります。それこそ、よりわかりづらい選手なのかもしれないですけど、でもそれで別によくて。チームが勝てればいいかなって感じですね」
チームとしては全体をコンパクトに保ち、守備ではブロックの中にパスを通させないことが要求される。それを担っているのがボランチだが、ボランチは自分の感覚・判断だけで動けるわけではない。相手がさまざま揺さぶりをかけてくるなか、スイッチを入れるのは前線の選手など自分以外の選手。それに合わせ連動して動かなければならない。11人がイメージを共有できていればいいが、イメージがズレてギャップが生まれ、そこを相手が狙ってくるといったケースでも、スペースを埋めたり、フリーで走ろうとする選手についていったり、その場その場の最善の判断が求められる。
得点に絡んだり、失点を防いだりする以外にも、ピッチ上には重要な仕事が山積している。そんな労が多いわりに評価されづらいボランチという役割を、中村は楽しんでいる。

