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モンテディオ山形
モンテディオ山形
3
[ 試合終了 ]
1 前半 0
2 後半 0
0
  • 25分 藤本 佳希
  • 69分 國分 伸太郎
  • 90+4分 高橋 潤哉
AWAY
大分トリニータ
大分トリニータ

メンバー

モンテディオ山形

スターティングメンバー

GK 1 トーマス ヒュワード ベル
DF 3 熊本 雄太
DF 4 西村 慧祐
DF 22 城和 隼颯
MF 7 髙江 麗央
MF 8 小西 雄大
MF 25 國分 伸太郎

86'

FW 2 吉田 泰授

60'

FW 11 藤本 佳希

67'

FW 20 吉尾 海夏

76'

FW 90 ディサロ 燦シルヴァーノ

67'

控えメンバー

GK 31 寺門 陸
DF 5 安部 崇士
DF 15 川井 歩
MF 14 坂本 亘基

60'

MF 18 南 秀仁
MF 42 イサカ ゼイン

76'

MF 88 土居 聖真

86'

FW 9 高橋 潤哉

67'

FW 55 堀金 峻明

67'

監督

渡邉 晋
大分トリニータ

スターティングメンバー

GK 32 濵田 太郎
DF 2 香川 勇気

46*'

DF 30 戸根 一誓
DF 31 ペレイラ
MF 14 池田 廉

76'

MF 18 野嶽 惇也

53'

MF 25 榊原 彗悟

46*'

MF 38 天笠 泰輝
FW 9 有馬 幸太郎
FW 21 鮎川 峻

69'

FW 29 宇津元 伸弥

78'

控えメンバー

GK 22 ムン キョンゴン
DF 3 デルラン

46*'

DF 27 松尾 勇佑

53'

DF 33 宮川 歩己
MF 10 野村 直輝

46*'

MF 16 茂 平

78'

MF 19 小酒井 新大

76'

FW 13 伊佐 耕平

69'

FW 15 屋敷 優成

監督

片野坂 知宏

スタッツ

90 45 total   total 45 90
5 2 7 FK 8 3 5
2 2 4 CK 5 1 4
0 0 0 PK 0 0 0
4 4 8 シュート 12 5 7
0 0 0 オフサイド 0 0 0

試合環境

  • 天候
  • 気温
    14.1℃
  • 湿度
    66%
  • ピッチ
    全面良芝
  • 入場者数
    8,705人
  • 主審
    野堀 桂佑
  • 副審
    聳城 巧、池田 一洋
  • 第四の審判
    原田 雅士

監督コメント

ゴールデンウィークの最終日、雨模様で5月とは思えない少し肌寒い気候でしたけれども、8000人を超えるサポーターに集まっていただき、たくさんエネルギーを送っていただきました。本当にありがとうございました。

中継の先からも、今なかなか勝てない日々が続いていますけれども、今日こそはという思いを届けてくれたサポーターがたくさんいらっしゃったと思います。ありがとうございました。

短い期間の準備でしたけれども、選手たちがしっかりと、悔しい負けから顔を上げて立ち上がって、戦う勇気を持ってピッチに飛び出した。それが全てだと思います。

素晴らしい、たくましい選手たちでした。選手はよくやりました。

 

 

--今日は3得点という結果になりました。監督から見てゴール前の精度、今まで課題としていた部分がどう映っていたか教えていただけますでしょうか。

 

結果論ですよね。入れば「今日は良かったですよね」、「質が上がりましたよね」となるかもしれないですけど、それは違うなと僕は思っています。

質を高めるために毎日トレーニングをしていて、その点と点が合うか合わないかは、もちろん我々の技術的なミスや拙さで合わないこともあるでしょう。ただ、本当にそこを狙ったにも関わらず、相手の素晴らしい守備があって通らないこともあります。

皆さんは結果論で色々語ってくれればいいですが、僕がそこだけで見ていくと、今回3点取れたから次もチャンスがあるねと言ったらそんなことはないし。

キャンプからずっと研ぎ澄ませて狙っているものをもっともっと磨いていかなければ、次はチャンスにすらならないかもしれない。

前半もタイミングを逃しているシーンもありました。それはハーフタイムに映像を見せました。そこを思い切って通すということを選んでいかないと、またボールを供給できなかったり、供給できたとしても遅れたりということにつながりますから、そういうものは見逃してはいけないと思います。

素晴らしいゴールでした。ただ、3点取ったからOKだねということはまったくないので。勝ったから兜の緒を引き締めましょうではなく、負けたから顔を上げていきましょうではなく、僕は毎試合毎試合、何ができて、何ができなかったかというところをしっかりと見て、毎日を過ごしているつもりなので。

また次勝つために、勝った後でも負けた後でもしっかり準備していく。それだけだと思います。

 

 

--前半の攻撃について、右サイドで熊本雄太選手と吉尾海夏選手の立ち位置がかぶっていたところもあると思いましたが、試合中の修正を教えていただけますでしょうか。

 

基本的に、今のシステムでワイドの選手は高い位置で幅を取りたいというのが大前提としてあります。ただ、今日の大分さんは5バックでしたから、そこに居続けることで我々に利益がなるのか、少しずらしていくことで我々に利益があるのか、そういうものを選手たちが見て判断した結果だと思います。

あとはキャラクターです。海夏は左利きで中でもプレーできる選手なので、そういうものをどんどんやることで我々に利益があるよということは鳥栖戦でも後半見せていますから、そういったものは試合前の映像でも確認して、海夏だったらこういうことができるよねというところ。熊も本来センターバックの選手ですけれども、昨年清水戦で可変して3バックにしたときに、駆け上がっていく姿を見せていて、この間の富山戦でもそういう姿を見せてくれましたから、海夏がインサイドを取れば、熊が高い位置を取れるねというところは、選手の組み合わせで成し得た配置だと思います。

おっしゃったように、最初滞った部分があったかもしれませんが、僕は気にしていないです。彼らがそこを取ることで、相手が次どうしてくるかをしっかりと見るための時間が必要だったというところは、ゲームの中で起こり得ますから。

それを実際見た後に彼らが判断して、効果的な動きに繋がったのであれば、良い決断だったと思います。

 

 

--前節札幌戦の悔しい敗戦から中2日での試合になりました。短い期間の中でリバウンドメンタリティもポイントになったと思いますが、監督の方から選手にどのような声をかけたのか聞かせてください。

 

いや、別に。1つの負けで悔しいからリバウンドメンタリティというわけではないです。我々はもっと悔しい思いをしていますから。そこは皆さんがどう思うかは別ですけど、毎試合毎試合負ければ悔しいし、それが続けばもっと辛くて悔しい状況にもなるし。

周りから何を言われようが、リーグ戦なので逃げずに戦い抜くしかないです。そういう意味では、毎回毎回彼らはしっかり顔を上げて立ち上がっています。

今回勝ったからリバウンドメンタリティができましたか、大事でしたかということではなく、我々は毎回やっています。それが結果今日勝つことができたのです。

結果が全てのスポーツで、サッカーは相手より多く点を取るスポーツで、それが今日できた。でも、それができなかったから準備ができていませんでしたかというと、僕はそんなことはないと思っています。それは僕が毎日彼らを見ているから。スタッフたちも含めて。それがたまたま今日結果に繋がった、今までは結果に繋がらなかった。

じゃあなんで結果に繋がったかというと、この2日間で選手が何かを劇的に変えたわけでもないし、彼らは毎回立ち上がってくれています。スタッフも徹夜で仕事をし続けながら選手が勝つための策を講じてくれているし、それが今日の結果に繋がったということです。

この2日間で何かミラクルレシピをやったつもりもないし、何か特効薬を投じたつもりもないです。今までやってきたことを彼らがしっかりと向き合って、今日、勇気を持ってピッチに飛び出した。ただそれだけです。

 

 

--吉田泰授選手ですが、前回の出場時よりも今日仕掛けが積極的だったと思います。何か改善した点やアドバイスがあれば教えてください。

 

先ほどと同様ですよね。1週間で飛躍的に上手くなることはないです。ちょっとずつでも上手くはなっています。もしかしたら3歩進んで2歩下がっているかもしれないけど、長い目で見れば彼らは成長しています。そういうものを、前回彼が出場した試合より何か積極性が見えたと言っても、何か話してすぐ出来るものでもないので。

数ヶ月ぶりの出場だった前回に比べれば、間違いなくゲーム感というところではプラスになったでしょう。ですが、おっしゃったような今日積極性が上がったとは思っていないです。前回も積極的な仕掛けというものはしていました。それこそ結果、今日積極的な仕掛けをして今日何本クロスを上げましたかというと、多分上げていません。我々はそれを求めなければいけない。だとしたらもっともっとやらなければいけないことがあるし、積極性だけで判断するのであれば、僕は富山戦と何ら変わっていないと思います。

もっともっと踏み込んでクロスを上げましたか?それが何本通りましたか?と考えると、今日の彼のタスクからするとまだまだもの足りないので、そこはもっともっと磨いていきたいと思います。

次の長崎戦、彼が出られるかどうか分かりません。脳震盪の疑いで交代したので。それでも、彼が復帰して、素晴らしい仕掛けをして、長崎戦で素晴らしいクロスを上げたとして、もし点が取れたとしましょう。「4日間で何をしたんですか?」別に4日間で上手くなることはないです。ずっと彼がやっていたことがようやく花開いただけかもしれないです。その次の山口戦はまた停滞するかもしれない。「なんで停滞したんですか?」「その1週間何もしなかったんですか?」そんなことはないです。その繰り返しなんです。

僕は、いつか彼らが花開くために毎日毎日磨いているつもりだし、でも全力で防ごうとする相手もいるので、上手く行った行かないはそのゲームによって変わってきます。

別に皆さんに共有して欲しいと言うつもりはないです。でも聞かれたから答えます。そんな劇的な特効薬はないです。ミラクルレシピはないです。毎日毎日、「いつか花開くんだ」「いつか上手くなるんだ」「必ずこれが勝利に繋がるんだ」と思ってトレーニングしています。その積み重ね、ただそれだけです。

 

 

--先制点を決めた藤本佳希選手に試合がストップしたタイミングで声をかけていましたが、どんな声がけをしたのか教えてください。

 

佳希とレレの関係性で今日どのような役割というか、動きが効果的かというのは戦前の準備でありましたけど、もしかしたらそれを意識するあまり、真ん中に人がいなくなることが嫌だったので、それができていないというわけではなかったですが、まずやっぱり居てほしいところには絶対に居てほしいから、レレが少し幅広く動く中で、だとしたら佳希は必ず真ん中に居てねということは伝えました。

それが逆になったとしても同じように。2人が真ん中から逃げちゃって、仮にボールを引き出せたとしても、最後に仕上げる選手がいなくなるのが嫌だったので、そういう話をしました。

彼もそれは納得してくれたので、「そうですよね」というところと、じゃあそこからもう一回サイドに流れたり起点を作ったりという動きが必要になるねというところが気になったので伝えました。

ただその後、ボールが流れましたが、雄大から右サイドにボールが出たものに対して、真ん中からレレが走って行った、あるいはレオがヘッドアップした時に真ん中から佳希が右に流れて起点を作ったシーンが、もしかしたら前後しているかもしれませんがあったので、あくまでも真ん中にいるところから動き出してほしいと話して共有しました。

選手コメント

No.11 藤本 佳希 選手

No.11 藤本 佳希 選手

--試合の感想をお願いします。

 

勝利だけが欲しかったので、ほっとしています。

 

 

--藤本選手らしいゴールでしたが、ふり返ってください。

 

小西(雄大)選手がいい感じで左足にボールを置いたので、そこから出てくるのは、長年やっているのでわかっていたので、しっかり決めるだけでした。

 

 

--新しいシステムに挑戦している中で、徐々にフィットしているようですが、選手はどんなふうに感じていますか?

 

始めてまだ間もないので、細かい部分とか擦り合わせなきゃいけないところはどうしてもありますが、大枠のところではいまのところ手ごたえを感じながらやっていますし、前向きにやれて、今日結果も出たので、いいのかなと思います。

 

 

--短いスパンで次の試合がありますが、どのように戦いたいですか?

 

毎試合、毎試合、僕たちは勝つしかないので、次はアウェイですけど必ず勝って帰って来ます。

 

 

--勝てていない中で、あの先制ゴールはチームに勇気を与えたと思いますが、あのゴールにはどういう気持ちを込めていましたか?

 

先制点というのが、このチームに何よりも大事というのはわかってしまたし、前半、悪くはない中で、ここで点が取れるかどうかというのは自分に言い聞かせながらやっていたので、そういう思いがああいうヘディングになったかなあと思います。

 

 

--自身の強みをどう出していきますか?

 

強みはもちろん、いろいろありますが、目に見えるゴールがないと試合には出られなくなるとは思っているので、そこだけかなと思います。

 

 

--次節への意気込みをお願いします。

 

勝った次がすごく大事だと思うので、勝点3を取りたいと思います。

 

 

--ゴールは頭のどのあたりに当たりましたか?

 

このへんに(前頭部を指して)。しっかり頭を振って、軌道は見えませんでしたけど、決めて気持ちよかったです。ここの大分戦のホームゲームは、前十字をやったこの時期だったので(左膝前十字靭帯損傷、22年5月8日)、ゲーム前にチラッと思って、でもネガティブな感じじゃなく、「ここで払拭するときが来たか」と思ってやっていたので、よかったです(笑)。

選手コメント

No.25 國分 伸太郎 選手

No.25 國分 伸太郎 選手

--試合の感想をお願いします。

 

タフなゲームになるというのはわかっていたので、とにかく相手よりゴールを取って勝ちたいと。その思いだけでプレーしました。

 

 

--ゴールシーンのふり返りをお願いします。

 

今日に関しては長いボールが前に入ったときのセカンドボールが、前々節の富山戦もそうですし、前節・札幌戦もそれを意識したので、その中で(髙江)麗央がボールを持って、僕が「来るかなあ」と思って、僕の後ろに(堀金)峻明がいて、どうしようかなあと。麗央がパスを入れてくれたタイミングで、わりといいところにボールを止められたので、キーパーの位置、距離感を含めて見て、トライした結果のゴールです。

 

 

--4ゴールはキャリアハイですが、更新してどうですか?

 

うれしいです!

 

 

--システムを変えた中で、どういった部分に手ごたえを感じていますか?

 

まずは、前線に多く人数を入れたい。でもその中で、さすがに僕らの前線が強烈だと言っても前にいいボールを供給しないと難しいという中で、前節に質の高いボールを入れるための、フリーでいい状態の選手を作るというのを僕はいま意識していて、その中で、前線にボールが入った先に相手よりも早く高いポジショニングでセカンドボールを拾いにいったりだとか、前にかかっていくことがいま必要というか、そこで上回らないと勝てないというのを実感しているので、僕もビルドアップに絡みながらも、前線に行けるときは行っていますし、少しでもチャンスがあるのであれば、後ろのバランスがよくなったりとかいい状態のときは、前線にフォワードのような形で顔を出して、その結果が少しずつですが、今日もゴールになったりだとか、チャンスにつながっているのかなと思います。

 

 

--今日はクリーンシートができましたが、守備の部分で意識していることはどんなことですか?

 

まずは攻守において強気でいくこと、パワーを出すことというのが大事で、ただ、相手のうまさだとか強さだとか、相手にボールを握られたときには、しっかりブロックを組みながらも、相手のちょっとした隙だったり、バックパスが入ったときにはパワーを出して相手のボールを奪いにいく作業を、少しずつですけど、整えていけていると思います。今日は前半からハイプレッシングに行けていたと思うし、それによって相手を制圧できている部分も多かったと思うし、高い位置でボールを奪えるシーンも多かったので、そこからゴールに直結できれば理想ですけど、そういう中で、ただそれでも相手が大分さんみたいに長いボールが増えている中で、(最終ラインが)5枚いる中で、特に3バックは強いですね。そこにいい状態で跳ね返せる準備ができているので、少しずつですけど、整理されてきていると思います。

 

 

--ここからまた長崎戦に続きますが、意気込みをお願いします。

 

本当に連勝あるのみですね。また相手の形が変わったりとか、相手の特徴も変わってくるので、まずそこをやる中で、自分たちの強みを生かせるような心と頭と体の整理をしたいと思います。

 

 

--今日の手ごたえを連戦にどうつなげていきますか?

 

今日3得点、クリーンシートという形でしたけども、特別なことはやってないというか、前節の札幌戦もそうだし、前々節の富山戦もそうだし、その前の鳥栖戦のアウェイも、みんながトライしようとしていたのは変わりないし、その中で今回は3得点奪えた。富山戦、札幌戦では奪えなかった。ただそれだけなので、本当にいままでやってきたことが結果につながっているので、それを続けていく。ただそれだけです。

 

 

--アカデミーで育って、プロでも在籍した大分からキャリアハイの4ゴール目を決めましたが、今日はどのような気持ちで古巣と対戦しましたか?

 

僕は山形の在籍年数のほうが長いし、山形のために、僕自身もそうだけど、クラブのためにプレーしました。

 

 

--大分のサポーターにはどのような気持ちですか?

 

ここまで育ててくれて、ユースもそうですし、トップチームでもプレーさせてもらって、たくさんのサポートをしてもらった中で、今日はこういう形で元気な姿を見せることができたと思うし、また一緒にJリーグを盛り上げられたらと思います。

戦評

未勝利が続く15位・モンテディオ山形は、3連勝中と好調の6位・大分トリニータをホームに迎えた。状態が対照的な両チームの対決は、山形が相性の良さを発揮して3-0で快勝。ゴールデンウィーク最終日に、サポーターへ5試合ぶりの勝利をプレゼントした。

 

前節に続いて先発起用されたのはGKのトーマス ヒュワード=ベルとCBの西村慧祐のみ。ほかは大半のメンバーが前々節以来の先発となった中、吉尾海夏が3試合ぶり、城和隼颯が開幕節以来の先発入りとなった。
また、開幕前に負傷離脱していた南秀仁が戦線復帰を果たし、ベンチメンバーに入った。

 

試合前の気温が14.1℃、この時期にしては寒いコンディションのもとで行われた一戦は、攻守の切り替えが素早い大分に押される立ち上がりとなる。2分、池田廉が中央に切り込み、折り返しを有馬幸太郎に合わせられたがヒュワード=ベルがキャッチ。8分には、自陣からの一気のスルーパスを受けた宇津元伸弥に、カットインからシュートを打たれたが、再びヒュワード=ベルが凌ぐ。更に11分、中盤での山形のボールロストから榊原慧悟がミドルシュート。ここもヒュワード=ベルが防いだが、セカンドボールを拾われた流れから、池田のクロスが有馬へと渡って胸トラップからシュート。ここは枠の上へ外れた。

 

序盤、山形は大分の5-4-1のコンパクトなブロックを崩すパスを入れられず、バックパスや横パスが多くなる。また、選手間での意思疎通が合わずパスがズレるシーンも目立った。その中で19分、吉田泰授がボール奪取から縦に運び、中央の藤本佳希を経由して右へ。吉尾海夏のクロスを藤本が右足で合わせた。シュートは枠を外れたが、ようやくファーストシュートを記録した。

 

この好機以降、山形は前向きにボールを奪ったり、選手の距離間良くワンタッチでパスを繋いで相手をいなしたりしてゴール前に迫るシーンが増えるようになる。すると25分、右サイドでパスを繋いで小西雄大が受け、中へ運んでクロス。これを藤本が相手に寄せられながらダイビングヘッドでゴールへと押し込み、先制に成功した。

 

5試合ぶりの先制点を挙げた山形は33分にも、J2通算200試合出場を達成した髙江麗央からのロングボールを裏抜けした藤本が収めて右へ。ボールを受けた吉尾のクロスがディサロ燦シルヴァーノへ渡り、決定機を迎えたが、トラップからのシュートは枠を捉えられなかった。
決定機を逃した直後、大分にCKを与え、クロスを有馬にニアで合わせられたシーンがあったが、枠を外れた。

 

山形は相手の3バックに対して國分伸太郎、ディサロ、藤本の3人が連動したハイプレスをかけてビルドアップを牽制。これが上手くハマり、大分の持ち味である縦に速い攻撃を許さない。

 

前半の終了間際、山形は2度のCKを獲得し、吉田がドリブル突破からのクロスでチャンスメイクしたり、セカンドボールを拾って積極的にゴールを狙ったりしたが、追加点には至らなかった。

 

後半に入っても山形のペースは変わらず、52分に高い位置でのボール奪取から、小西のクロスを國分がバックヘッドで合わせ、枠を捉えるも大分GK・濵田太郎のファインセーブ。直後のCKでは、クロスを西村が頭でスラしたボールに藤本が反応したが枠を外れた。 

 

押し込む展開を作る山形だったが56分にアクシデント。吉田が相手とバッティングした影響でその場に倒れ込み、プレー続行不可能に。60分、脳震盪の疑いでピッチを後にし、代わって坂本亘基が入った。

 

長く試合が止まった後に迎えた大分のFK、宇津元が直接狙ったシュートはヒュワード=ベルが落ち着いてセーブ。65分には、ハイプレスを剥がされて宇津元のマイナスの折り返しを池田に合わせられたが、枠の右へと逸れた。

 

67分に山形がディサロと藤本に代えて高橋潤哉、堀金峻明を投入するとその2分後、ピッチに入って間もない堀金のハイプレスにより、相手GKに長いボールを蹴らせる。これを相手陣内で吉尾がカットし、頭で髙江へ繋ぐ。髙江からのワンタッチパスをフリーで受けた國分は左足を一閃。ゴール右隅に吸い込まれ、貴重な追加点を挙げた。

 

点差を広げて以降、引き気味の守備を行う山形に対し大分は74分、浮き球のパスが背後を取った宇津元へ渡り、クロス。伊佐耕平が2度シュートチャンスを迎えたが、西村のブロックとヒュワード=ベルの好セーブで山形がピンチを凌いだ。

 

山形は76分に吉尾に代えてイサカゼイン、86分に2点目をマークした國分に代えて土居聖真を投入した。

 

80分を過ぎると、大分に相次いでセットプレーを与えて我慢の時間が続いたが、集中した守備で失点を許さず、2点リードのまま、試合は90分を迎える。

 

吉田の交代が時間を要したこともあり、後半のアディショナルタイムは9分。スタジアムにどよめきが起きる中、山形は落ち着いてパスを回しながら追加点を狙いに行く。すると90分+4、西村の縦パスをきっかけに右サイドでワンタッチパスを続けて相手のプレスをいなし、ボールを持った髙江が、ポジションを取り直した高橋へスルーパスを供給。相手GKが飛び出してクリアしようと試みるもクリアしきれず後方に逸らすと、高橋が無人のゴールへと流し込んで試合を決定づけた。

 

その後、大分が前線へロングボールを放り込んでパワープレーに出たが、山形の守備陣がしっかりと跳ね返し、無失点で試合終了のホイッスルを迎えた。

 

山形は通算成績4勝4分6敗、勝点16として順位を11位へ上げた。次節は11日(日)、アウェイでV・ファーレン長崎と対戦する。