さらに攻撃的に、開幕戦から「ブッチギレ」!! 2022 J2 第1節 vsザスパクサツ群馬 プレビュー
北九州に5-1と大勝した昨シーズン最終節から約11週。ピーター クラモフスキー体制1年目の集大成を大量点で示したモンテディオ山形は、オフをはさみ、新たな選手を加えてチームを再始動。恒例の長期キャンプはもうしばらく続くが、いよいよ今週末、リーグ戦のピッチに戻ってくる。開幕戦の舞台は正田醤油スタジアム群馬。アウェイ4連戦のスタートでもある。
昨年5月のクラモフスキー監督就任以降、7連勝、12戦負けなしとクラブ記録を塗り替えていった。今シーズンもめざす場所は変わっていない。
それは「日本で一番のチームになること」であり、その途上でチームも個人も「いままで達成できなかったことを達成する」経験を積み重ねていくこと。試合では「相手を圧倒し、二度と戦いたくないと思わせ」、「ファン・サポーターをワクワクさせる」。そのために求められるのは「毎日ハードワーク」し、「日々成長」すること。そうした日々の一歩一歩を、クラモフスキー監督は「山登り」にたとえるが、そこに限界はない。モンテディオはまだまだ強くなれる。この開幕戦もその一歩だ。
開幕戦の相手、ザスパクサツ群馬の昨シーズンは18位。4チームがJ3に降格した中、ギリギリで残留を果たす苦しいシーズンとなった。今シーズンは、浦和で監督経験のある大槻毅監督を招聘。大前元紀、青木翔太などがチームを離れたが、相模原から平松宗、C大阪から山根永遠など新たなアタッカー陣を編成している。また、琉球から風間宏希が4年ぶりに復帰し、モンテディオからは櫛引政敏が完全移籍、シーズンを通して守護神の座を争うことになりそうだ。
群馬での開幕戦といえば、2005年を思い起こすサポーターも多いことだろう。ブロデビュー戦となったルーキー・佐々木勇人が先制ゴールを挙げるなど3-0と快勝。また、モンテディオは現在、群馬に3連勝中。正田スタでも3連勝中と対戦成績はいい。ただ、この開幕戦はまた別の試合だ。YAMAGATA ICHIGAN、シーズンスタートからブッチギる。
Forcused Players / No.11 藤本佳希
2年連続で14得点を挙げたエースも、そのエースの不在時に活躍した6得点のストライカーもチームを離れた。チームの得点を担う大きな役割は、新たに加わった背番号11も負うことになる。
3年半プレーした愛媛では絶対的なエースに成長。19年には9得点を挙げ、昨シーズンも低迷するチームの中で10得点5アシスト。得点に直結する場面で確かな存在感を放った。その愛媛では、昨シーズンモンテディオのコーチを務めた川井健太監督に2年半指導を受け、ポゼッションスタイルでのプレーの質を高めてきた。また、山﨑浩介とも主力として同じピッチに立っている。
最大の特長はそのスピード。一発で相手の背後をランニングで狙えるほか、カウンターの場面でもまずは切替で上回り、ボールを前に運ぶ推進力を発揮。単独でフィニッシュまで行けるスキルを備えている。強いヘディングはクロスに飛び込む際に大きな武器となり、こぼれ球に詰めて決め切る嗅覚もある。チームとしてゴール前にチャンスになるボールを数多く供給することで、藤本自身の得点可能性も高まることになる。
ゴール前で数多くのチャンスに絡むためにも、味方との連係は不可欠。味方を使うプレーも得意としているが、1年目のチームで現在、連係を急ピッチで噛み合わせているところだ。クラモフスキー監督が示すチーム戦術を理解したうえで、個々の選手の特徴をつかみ、自身の特徴を理解してもらう必要がある。守備時の立ち位置やスイッチを入れるタイミングなどはすでにかなりつかんでいる。一朝一夕にはできることではないが、シーズンを通して連係は深められていくことが期待される。
プロ1年目の岡山ではおもに途中出場で23試合。自身の得点こそなかったがチームは6位でクラブ初のJ1昇格プレーオフに進出している。昨シーズンは愛媛でJ3降格を味わったが、厳しい残留争いの渦中でもがいた経験は必ず生きるはずだ。プロ6シーズンのキャリアはすべてJ2。未踏のJ1のピッチにたどり着くために、自らのゴールで道を切り拓く。