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公開日 2016.12.31

【コラム】比嘉厚平選手引退に寄せて

比嘉厚平選手の引退を本日発表させて頂きました。このコラムでは比嘉厚平選手の5年間の歩みを広報写真から振り返ります。

比嘉厚平選手は2012年柏レイソルからモンテディオ山形に期限付き移籍で加入、スピードを生かした若きアタッカーとして、前年JFL秋田で7得点。

 

山形での初出場は同じ年の3月17日J2第3節大分トリニータ戦。ホーム開幕戦となったこの試合の82分から出場。

 

山形では途中出場の試合が続くもプレーオフ進出争い生き残りのかかった第41節大分戦に初先発、2013年のシーズンには完全移籍を果たします。
 

2013シーズン、比嘉厚平選手の山形での初ゴール、そしてJリーグ初ゴールは5月3日カターレ富山戦。前半27分に見事なトラップからの先制点。連敗を止めこの試合のMVPにも輝きます。
 
 

 

 

 

 
初ゴールから1ヶ月後の6月22日松本山雅FC戦では、前半8分自らのボールキープから生まれたゴール前でのチャンス。こぼれ球を見事なボレーシュートでネットを揺らし、この試合でも勝利に大きく貢献しました。

 

 

 

2014シーズンも、試合の流れを変える活躍を魅せます。
5月11日ジェフ千葉戦、試合終盤の84分から左サイドハーフとしてピッチに入り、僅か2分後の86分ロングボールを受けフェイントで出来たスペースに切れ込みミドルシュートを決め、劇的な同点弾。
 

 

 

 

6月7日栃木SC戦では自らのボールキープからチャンスを作り、こぼれ球を素早くシュートし、6-1で大勝したこの試合の流れを決めるチーム3点目のゴールを挙げます。
 

 

 

在籍4年目となった2015シーズン、そして2016シーズンは怪我で試合、そして全体練習にも参加出来ない日々が続きます。

 
チームが厳しい戦いを続けている中、別メニューを黙々とこなす孤独な戦いが続いた比嘉厚平選手。
 

しかし、いつも笑顔を忘れず、選手に、そしてスタッフに明るく接する姿、比嘉厚平選手はいつも人懐っこい比嘉厚平選手のまま。
 

 

 

そして、迎えた2016年10月17日、トレーニングゲーム福島ユナイテッドFC戦。ピッチサイドには1年ぶりのトレーニングゲーム出場を前に、ウォーミングアップを続ける比嘉厚平選手の姿がありました。
 

入念な準備を終え、交代直前、ピッチに向かう前に比嘉選手は試合写真を撮影していた広報に向かって、一言声をかけました。


 
「これ最後だから、しっかり撮っておいて。」

覚悟の籠った一言。言われるがまま、カメラのファインダーを比嘉選手に向け始めました。そして、ピッチに入った比嘉厚平選手が一心不乱にボールを追いかけ続ける姿は、2年前の公式戦の時と変わらぬその時のまま。

 

 

 

比嘉厚平選手が自らの全ての力を振り絞った試合終了までの濃密な23分間。

 

 
これが比嘉厚平選手にとってのラストゲーム、最後まで全力で走り続けた8年間のプロサッカー選手としての歩みを締めくくる試合となりました。


 
モンテディオ山形ではリーグ戦通算44試合出場4得点。本人のコメントにある通り、良いことよりも辛いことが多かった5年間。しかし、出場した試合ではスピードとテクニックを兼ね備えたプレーで輝きを見せ、チームを勝利と勝ち点に導く立役者として、記録よりも記憶に残る活躍を魅せてくれました。

 

比嘉厚平選手の刻んだ5年間の歩みは、モンテディオ山形の歴史にしっかり刻まれ、これからも残り続けます。

 

これから、新たな道で、新たな歴史を刻みはじめる比嘉厚平選手の歩みを、ぜひ皆さんも応援頂ければと思います。

比嘉厚平選手5年間ありがとうございました。

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